コロナ禍 ウッドショックに引き続きロシアのウクライナ侵攻による、住宅業界への影響を実際の住宅営業がお話ししていきます。
結論
供給不安による建築期間の長期化、建築費の上昇の可能性
ウッドショックがまだまだ続く中、長期化することにより建築費が上昇します
木材価格はどのような状況?
国内の合板メーカーはフル稼働を続けているものの需要を賄いきれていない。21年12月の国産針葉樹合板の在庫は約9万㎥と前年同期比約18%減。8ヶ月連続で需給均衡の目安とされる10万㎥を下回る。針葉樹合板の価格は12月に1枚1,730円
参照:林野庁マンスリーレポート
ハウスメーカーではある程度の価格上昇があり、一旦高止まりしたように見えていますが、価格は上がっている状況です。
直接的な木材の影響 (日本へのロシアからの輸入は?)
日本とロシアの直接的な木材に関しての影響はかなり少ないと考えられる。
順位 | 国名 | 輸入量(下段:輸入額) | グラフ(輸入総量に占める割合%) |
1 | 米国USA | 1,511,047 m3 54,963,840千円 | 57.3% |
2 | カナダCanada | 746,286 m3 22,049,431千円 | 28.3% |
3 | ニュージーランドNew Zealand | 305,659 m3 5,605,138千円 | 11.6% |
4 | ロシアRussia | 35,398 m3 938,616千円 | 1.3% |
資源の保護を理由に2022年1月1日から、ロシアは丸太輸出を禁止しているため。それ以前も税などにより日本がロシアから輸入する木材は少なくなっていたため、ウクライナ危機によって大きく変わることはないと想定できます。
間接的な木材の影響 (世界へのロシアからの輸出は?)
ロシアは丸太の輸出を禁止しているが、それ以前は輸出はどの程度であったのか。
※2017年の重量ベースで木材輸出先と輸出量
順位 | 木材輸出先 | 重量ベースでの木材輸出量 |
1 | 中国 | 2290万トン |
2 | フィンランド | 630 万トン |
3 | ウズベキスタン | 200万トン |
4 | 日本 | 120万トン |
5 | カザフスタン | 110万トン |
元々ロシアの世界での木材の輸出量は非常に多く、長期化することで世界的には木材供給不足に陥る可能性が高い。
ウッドショックについて
少し落ち着いたと思われた、ウッドショックが加速する可能性が高いです。
あらゆる資材の価格高騰、サプライチェーンの見直しが必要になり原材料価格の高騰になる可能性が高いです。
最後に
長期化になり、今後も供給不安が続くと建築費の増加は避けられないでしょう。ただし、大手のハウスメーカーは安定供給のためにウッドショックから動いています。焦らず行動をしましょう。